「白いカラス」

2004年6月29日 映画
よくわからない映画だった。

アフリカン・アメリカン(黒人と呼ばれる方々)が見たらアイデンティティを傷つけられたようで不愉快なのではないだろうか。コールマンの付き合ってきた女は白人ばっかで、最後に告白はするものの、フォーニァに対してだけで家族や大学への落とし前がついていない。終盤いつの間にか作家の視点に変わってしまい、二人の最後の恋のゆくえが放り出されたような肩すかしのされ方。

最初に事故シーンが出てきて、「21グラム」のような時制錯綜パターンなのだが、丁寧に解きほぐされるべき心情や過去が簡単にセリフだけで片付けられたり唐突な進行にとまどってしまう。

役者の演技はさすがの存在感だが、やはりミスキャストに思える。ホプキンス自体はもろ白人に見えてしまうのは仕方ないとして、回想シーンだけでなく現在の生活でも隠しとおす苦労や葛藤をもっと織り込むべきだったのでは。メイクやつけ鼻などなくても演技でそれ以上に見せることのできる人だと思うので脚本の描き込み次第ではもっと説得力が増せるはず。

キッドマンはとても学歴のない(原作ではそうなってるらしい)女性には見えない。夫の暴力など回想シーンがないので見せ場少なくかわいそう。そのかわりに唐突なハダカと取ってつけたような喫煙シーン。明るく幸せいっぱいな人だってタバコ吸うんですよ。ステレオタイプな小道具の扱いはいいかげんにしてって感じ。

文句言ったけど、映像や音楽はなかなかに良くて、回想シーン(若いとき)のラブシーンも良かった。ああいう脱ぎ方は大好きです。逆にキッドマンはベッドで全裸で横たわるより立ち姿の背中で語って欲しかった。二人が車から部屋に入るまでの駆け引きの間の取り方も絶妙だったし、その際キッドマンが背中の表情でコールマンを引き寄せていたので部屋の中でも同様に背中で語って欲しかったのだ。

字幕を追うのに精一杯でラストの残された二人の含みのある表情を見逃してしまった。セリフを読んでもよくわからなかったし。原作は名作らしいのでそれを読めばナゾが解けるのかもしれないが、たぶん僕もフォーニアと同じく読み書きに疎い人間なので本を読むこと無く死んでいくのだろう。
(☆3つ)
やっぱこの邦題はナシでしょ。

出だしはいかにもなプレイボーイぶりに笑ってしまったが、だんだんとツボを突かれて涙ボロボロに。 いいオヤジがOLやオバサマだらけの映画館で必死で嗚咽をこらえる姿ってどうよ。

ラブシーンが一番泣けた。やらしく深読みすると根底に流れる儒教思想というか、やっぱ清楚な純愛、従順な女が好きなのね自分も。まだまだ青い。あっちの姉さんも美人で良かったがラブシーンないんだもん。

正直、「愛あるセックス」にあこがれます。だってオレって・・(以下省略)。

王朝貴族の華麗なクラスライフ。映像も音楽もきれい。 ベタなようでいて客観視な部分もあり、終盤にカメラが追う人物が切り替わるのでちょっと感情移入しづらいものの、また韓国映画にやられました。(最後の最後にもオチがあった)

16歳の設定はムリがある!とか、落ちる過程はしょり過ぎとか、従姉妹美人のラストも唐突すぎる!とか、そゆことは言いっこなしで。

もちろんヨン様(松尾スズキ)もステキだった。あの腰づかい・・。
(☆4つ)
やっと買った。いつまでも高い盤しかなかったんだもん。ホントに輸入盤規制すんのかね?

それはともかく5年ぶりらしい。そんなに歳とったのか?自分。

今回もいいですね。時の人Van Huntと組んだ曲が4曲も。シンプルなファンクに情感こめる4、5、10。スティービー風に盛り上がる6とそれぞれいいかんじだ。

アルバム全体としては、Jamey Jazzのオサレ系やなぜか打ち込みハウス系のSteve Hurleyあったり整合感に欠けるのだが、みないい曲で歌もとてもソフィスティケイトされていて言うことないです。
もっと早く聴けばよかった。

「下妻物語」

2004年6月18日 映画
昔、学生時代に取手の子にホンダ・シティに乗せてもらって牛久シャトーに行った時のことを思い出した。のどかな田園風景だったなぁ、下妻じゃないけど。

なんか秘孔を突かれたように大笑いしました。オープニングの事故回想シーンで「21グラム」なのか?と思ったが、その後はバリ飛ばしまくり。みんな濃いキャラの上に芸達者な面子なので笑えるのは当然だが、その中でも土屋アンナのキャラが新鮮でマジ笑える。

ただ後半はお決まりの青春チックな男の、いや女の絆に昇華されてしまい、メンツ的にも落としどころ的にも「IWGP」や「木更津キャッツアイ」とかを彷彿とさせてしまう。自分の中では「IWGP」を超えるものはないと思い込んでるだけに、前半の疾走感溢れる笑いを保ったままクライマックスへなだれ込んで欲しかった。表層的軽薄な笑いで良かったのに直球な青春にシフトしてしまったのは残念。

なんだかんだいいつつも泣けたんだけど。

深キョンがまた猛烈な当たり役。ガッチリ太い二の腕にゴスロリなフリルがパーフェクトにはまる。土屋アンナにも惚れた(妊娠・入籍ってマジショック)し、最強コンビかも。

ちなみにジャスコは近所にないのでもっぱらマルエツにお世話になってます。(☆4.5)

「パッション」

2004年6月12日 映画
どうも考えがまとまらないのだが、メモ的にダラダラ書いておく。

子供のとき教会の日曜学校に近所の友達に誘われて行ったが、配られたお菓子の取り合いでケンカして二度と行かなかった。そんなバカで野蛮な子供だったので、以来聖書を読んだこともないし、映画のストーリーの前設定や、ときおり挟まれる福音書のエピソードもよくわからない。それでもいろいろ考えさせられて面白かった。

キリストは、啓示を授かった神の子として見えた。だから救済の使命を受けてすでに世俗を超越した存在であり、鞭で打たれようと杭で手足を貫かれようと人間的な痛覚はすでに放り去っているのだ。
延々と、しかもスローの多用やしつこい音楽やられるので見ているうちに麻痺してきた。ちっとも痛くない。

痛いのは彼を取り巻く人間たちが、怒りや憎しみ、嘲りなど、ひたすら人間としての負の感情を剥き出しにするところ。汝の敵を愛せよ。って言うけど、愛というよりも赦す、あるがまま認めるってことだろう。そういう境地になれば争いはなくなるかもしれないが、人間が人間である所以であるところの感情の起伏を否定することになるのでは?

短絡的だけど、「2001年宇宙の旅」で宇宙の意識と一体化したスターチャイルドが時間や場所の概念を超越して“ただ居続けた”ような状態になっていたが、やっぱアレしかないのかなぁ、というかんじ。いま人間はそれぞれ自分の内なる小宇宙でもがいているが、そんなこと宇宙船から地球を眺めるとどうでもよくなるのだろう。

クリスチャンが作った映画として、人類の罪を一身に背負ったキリストの偉大さは十分に伝わったけど、社会的集団としての人類の救いのないしょうもなさも十二分に思い知らされてしまった。キリストは好きでも人間はキライなんじゃないかと思わせるような厭世観。そんな中で聖母マリアの、母性愛に溢れる感傷的な描き方はいらんかったと思った。意味がわからん。じゃま。

ラストで復活するキリストは、人間を超越した存在として位置づけるるためと思えばうなずける。処刑されるまでに受けた迫害の数々もきれいに清算されるのだ。愛とか赦しでもなく、ただニュートラルに戻る。そんな感じがいいです。

映画としてベタベタな出来だったけど、無知な自分にも少しは人類の行く末を考えさせてくれたので良い映画だったです。
(☆4つ)

あ〜、やっぱダラダラ長い。あとで書き直そう。
<ネタバレあり!>

まんまと騙されたんだけど、それが快感かというとそうでもない。むしろひっくり返して欲しくなかったかも。

虚構世界の出来事かと思うと、女の情念のリアリティが薄まってしまう。娘のおなかの傷や母親の死因など、せっかくの情念ネタが台無しな気がした。それもこれも勝手に思い込みした余裕のない自分が悪いのか・・。

ランプリングの<大サービス>には驚いたが「まぼろし」よりさらに老けて、顔だけ見ればおばあちゃんに近い。役柄的にも老醜さらすから仕方ないけどちとショック。

サニエのオッパイは見事だったけど、胸のド真ん中が骨っぽいのでどーも怪しい。近頃は技術が進化してるので見分けにくいせいか、どれも入れ乳に思えてしまう。仰向けでもつぶれないのは若さのせいだけではない気が・・。

中盤まではかなり惹き付けられたが、まとめが強引かつ騙しすぎな感じがしました。「まぼろし」では深いエモーションってやつがあったんだけど、これは・・。

(☆3つ)

「4人の食卓」

2004年6月5日 映画
またもや打ちのめされた。「殺人の追憶」に続いてまたもやただごとではない映画を見てしまった。見た目はともかく通常のホラーとかスリラーといった映画ではなかった。女性監督のデビュー作だそうだ。

途中までは異様な緊迫感の中で徐々に過去の記憶がほぐされていく。「シックス・センス」タイプ?とか思ってると最後にまた放り出される。

概ね不評なようだけど、タイトに編集して最後にドンデン返しと謎解きをきっちり付ければ普通の娯楽映画になってしまう。(それでも十分すごいけど)チョン・ジヒョンを起用しても商業映画にしなかった根性がえらい。

劇中ほとんど音楽使わず無音のテンションがキリキリさせるのだが、ここぞという所でカマされる不協和音のSEも怖い。正直ストーリーは未だにわけがわからないのだが、映像と音を追っていくだけでお腹いっぱいだ。

僕の喉のつかえを取ってくれたレビュウがあった。よく見に行く〔粉川哲夫のシネマノート〕http://anarchy.k2.tku.ac.jp/japanese/cinema/notes/2004-01.html やはり「殺人の追憶」同様に<前近代の揺れ戻し>。非日常な不条理の迷宮のままで正解なのだ。43歳の自分にはすごく納得のいくレビュウだった。

余談だが、この監督名前がイ・スヨン。もしかして人気歌手のLee Soo Yougかと思ったら違ってた。それでもインタビューとか見ると若い。すごいなぁ。
(☆4つ)

「21グラム」

2004年5月26日 映画
絶対にこの世に神なんかいない。

そう思わせるほど三人三様に悲しすぎる。

「アモーレス・ペロス」見てないんだけど、これも同じく時間軸バラバラ。はじめの方はまったくわからん。こういうスタイル好きだけど、今回のはどうなんだろ?まともにやったらかなりベタベタな悲劇になっちゃうけど。

ナオミ・ワッツがもうけ役というか裸までさらしての熱演。しかし、3人の中で一番無表情だったデルトロにまたもやノックアウト。なんでこんなに可哀想なんだろ?涙出まくり。

しかしいつになったら痩せるのか・・。

ここまで救いが無いと映画としてもつまらないし、ポールがクリスティーナを好きになる理由が明確でないこと、クリスティーナが被害届出さないって言ってたのに唐突に殺意を剥き出しにするところとか、展開が強引なところもある。しかし、序盤の意味不明な画つなぎからもただごとでない緊迫感が漂ってきてグイグイ惹き付けられた。

三人とも思いっきり悲劇の当事者なのだが、S・ペンだけがどこか所在なげで最後の独白(追想?)含めて魂のありかが虚ろになっている。最後は語りで締めちゃったのは困ったが彼の存在が、単純な悲劇で終わらずにこの世とあの世を徘徊させる案内人のような深みを出していると思う。

音楽がとてもいいです。他所から引用するとこんなかんじ
「ブルージーなギター・ドローン、ブレイクビーツにフォルクローレやタンゴのエッセンスを注入した前衛南米叙情詩が、登場人物のダークな心象風景にひっそりと寄り添う。」 長屋美保氏

(☆4つ)
ポロリおばさん、今回もいいです。
ジャム&ルイスはUsherと同様に曲作りというより全体のコーディネイトですね。曲は渋いが音色のセレクトはキャッチー。線の細いジャネットの声を生かすセンスはさすが。

今回の目玉はやっぱ蟹江君です!彼絡みの曲はみなイイ!
05の「My Baby」はイントロからカッコイイ。
ジャネットのヴォーカルはセンシティブなんだけど、カニエ君のラップが入るとすごくポップな感じになります。やっぱ時の人の勢い感じます。
それから「Like You Don’t Love Me」。キャッチーなリフといいサビのコーラスの決まり具合といい、踊れて胸キュンな最高春ナンバー。
あとはジャム&ルイスの定番モノのような「Could This Be Love」。中盤からウインドチャイム系なキラメキSEが彩りそえてきれい。

世間的にはシングルになったやつみたいのがウケるかもしれませんが、彼女のウィスパーヴォイスを活かしたミディアム〜スローな繊細系が大好きです。

坂本龍一/CHASM

2004年5月17日 音楽
久しぶりに教授聴くなぁと思ったら本当に久しぶりらしい。

スケッチショウも参加してるせいかエレクトロニカに接近してるかんじ。いいとこどりのうまい人だから、もう普通にメロがあるとどこかで聴いたデジャヴ感染み出てつまらない。壊れた曲の方が美しさが出る。てゆうか全然壊れてないね。

CCCDではない。さすがです。

1. 胡弓でミディアムファンクなコリアンラップ?これをインターナショナルって言うのかなぁ。いいとこどりが典型的に鼻につくパターン。

2. イントロの音色で決まり。小山田君参加のエレクトリック・ディストーション。これがかっこいいい〜!

3. アート・リンゼイでブラジリアンな予定調和。かっこいいけどワクに収まってる。スケッチショウも参加。

4. リンゼイ+ジョビン。途中からテクノDJ風。

5. Dシルヴィアン参加で、「Mr.ローレンス」のvo.版のような仕上がり。小山田君がCDターンテーブルやってるらしいがスクラッチ音はわかんなかった。ループ作ってんのかな?

6. 湖の音をサンプリングしたアンビエント風。好きです。

7. エリック・サティの裏でボッサなスキャットが流れてる。

8. 2コードが延々と。東儀秀樹になってる。

9. こういうのは音色変えても普通っぽさが透けて見えてしまう。

10. 六本木ヒルズ。こっちはホントにヒチリキ使ってるが線が細い。耳タコなせいか、どーでもいい曲。

11. いいです!

12. ヘッドホンだと足音にドキリ。こういうビリビリループも好きだ。「BGM」での天上に昇っていくような機織りループを思い出す。

13. 5のリミックス。こっちの方がいいや。

14. こういうエイジアンなやつだと器用さばかり目立つ。どこかで聴いたメロの連発。

こうして聴くといろんなことやってるけど、メロのついた普通な曲ではもう限界。マーケットの需要もあると思うけどスケッチショウに比べて立ち位置があいまいに思える。社会的活動や発言ほどには音楽が追いついてないのでは。いつまでも「教授」で居続ける辛さがにじみ出てるかんじ。

あの発言はカッコ良かった。僕も持ってるCDの9割くらい輸入盤です。国内盤は中古。お金ないもん。え?そうゆうことじゃないって?
WOWOWで見たが3時間でも足りなかったみたい。

いい人の役しかできないと思ってたダニエル・デイ・ルイスの怪演に轢き付けられっぱなし。映像もきれいで金のかかったスケール感は堪能できたが、いかんせんドラマが・・。

編集の都合なのか、終盤は二人の心情描写ないまま闘いに突入。回想シーンもいっかい挟むとかして欲しかった。軍艦から放たれた砲弾には頭きた。じゃますんなよってかんじ。激動する時代の流れも、ニューヨークの街のバイタリティも、男の生き様も全てが中途半端だ。キャメロン・ディアスなんか色づけで出すなら邪魔なだけ。

エンディングでU2が流れたらますます白けた。しょぼい曲でいかにもお約束でまとめた感じがする。撮影が長引き、コストやスケジュールのしわ寄せがきたのだとスコセッシをかばいたいけど、かなりガッカリした。
(☆3つ)
やっと入手できた。
いろいろと物議カモシーになってる、Jay-Zラップのバックトラックにビートルズのホワイト・アルバムからサンプリングしてるやつ。

なるほどこれは面白い!昔の音だけあってアナログ感がたまりません。
特にしょぼい(失礼)ギターの音がときおりフォーキーな味わいで良いです。ドラムはやっぱリンゴというか、ドタスタしていて、どうつないでもグルーヴ感というものが出てきません。

つかワシ43歳でビートルズ世代なはずなのに、元ネタわかんないんだよね。わかったのはジョージの「While My Guitar〜」くらいだった。

やっぱ「Brown Album」のカッコ良さに最初に触れちゃったし、これは亜流の面白さってとこでしょうか。

参照させてもらったHP
http://smokewalls.com/archives/000236.html
http://www.flowerlounge.com/archives/000033.html
http://www.excite.co.jp/music/story/21674/
仕事途中でほっぽり出して横国行ってきた。

窓際ダメリーマンをひた走るオレもなんだかだけど、きょうの午後に急に呼び出しても付き合える某有名企業勤務のN君。かなりなんだかです。しかも品川から新幹線で来たらしい・・・。

え〜と試合は酔っ払ってあんま覚えてない。

互いに3−5−2。アンと清水の2トップ。ころころ変わるな。やっぱ久保はしばらくムリみたい。清水(エスパルスね)は粘っこい守備で囲い込みが早い。すぐに2人〜3人と寄ってくる。相手の攻撃はたいした決め手もなかったが、運悪くバーに当たったはね返りを入れられる。というか相変わらず達也君のアタフタぶり。安定感なし。

後半は5分過ぎから坂田(清水アウト)、そのあと上野(中西アウト)、由紀彦(遠藤アウト)と投入するが、いっこうに攻める気のない清水(エスパルスね)のドン引きな守備陣にスペース消される。ほとんど2バック状態になったり、例によって松田がふらふら上がっていったり中澤がセンタリングしたり、柳を前線に残したりするがダメ。

終了間際に坂田のヘッドで1点返すが遅すぎた。磐田を追いかける立場では負けに等しい引き分け。先制できなかったのが全てだが、後半開始から手を打っても良かったはず。3人代えたもののイマイチ切迫感が感じられなかった。

次はハードスケジュールの中でアウェイの磐田戦。事実上前期の闘いは終わっちゃったけど、開き直って磐田戦だけは120パーセント出し切って勝ってくれ!
最初のうちはなんだか「フォレストガンプ」みたいなかんじ。

そのうち断絶してる父と息子の邂逅の話と判り、かなりスケールダウン。ティム・バートン、ますます幼児化してるというか、現実逃避を正当化してる。自分の妻を「only one」って言ったり判ってないというかありえない。

ブシェーミやMr.ペンギンが出てたり、人工美な美術装飾のセンスはさすがティム・バートンな世界だが、話が小さくまとまって彼特有の毒が無い。音楽なんかストリングスとピアノが始終品良く流れて、最近で言うと「シービスケット」なかんじでハリウッドぽい偽善が鼻につく。

脚本や製作に本人が噛んでいないのでやっぱ独自色が薄い。もっとインディ系からでもいいから好き放題に作った映画を見せて欲しい。(☆3つ)
今回は筋の通ったラブストーリーで、破天荒な楽しさより辻褄合わせにこだわるオジサン的にはこっちの方がまだ納得できる。ヘンなオリエンタルが白ヒゲじじいだけだったので、微妙な苦笑いは少しで済んだし。

それにしても冗長な展開でセリフがタラタラ長い。映像的にけっこうきれいだったのにカットを切り替えていくリズム感が出ない。さしたるドンデン返しもないのでなおさらダレる。

音楽はときおりラテンのデスペラードになった。ロドリゲスも参加ですか。残りのオールドソウル趣味はRZAと真っ二つに割れて整合感がない。GZAのソロ「Liquid Swords」で使われたのと同じ「オレのとうちゃん有名よ」のサンプリングが使い回しされてたり。

非情な殺し屋同士の闘いなのに敵に塩を送ったりスキだらけだったり、どれをとっても締まりがないというか、ソリッド感がありません。従来のタランティーノ節をいつまでも期待してるこっちが悪いんですかね。(☆3つ)
伊香保温泉に行った。

温泉街手前に「グリーン牧場」という家族向け施設があり、なぜかその敷地内に現代美術のミュージアムがあった。

http://www.haramuseum.or.jp

広々とした芝生に磯崎新の黒い建物が映える。規模は小さくて展示室は3つ。のっけから草間彌生のかぼちゃの部屋があった。これは楽しい。あと、のぞき万華鏡みたいなものもあり、クサマトリックスしてた。さすがです。あとは横尾忠則、ソフィ・カルの「限局性激痛」。これが痛かった。写真と文章で手紙スタイルで語られる異常に重い失恋の痛み。これは「グリーン牧場」と対極な立ち位置でした。

ミュージアム内のカフェは見晴らしが良く赤城山も見える。

もう少し展示物が多ければ言うことなしだが、牧場でのんびり過ごせば一日楽しめる。ちょうど八重桜の並木が満開ですごくきれいだった。
ポレポレ東中野に行ってきました。最終日に会社抜け出して。

思っていたよりも生死の境ギリギリな現実を叩きつけられ、かなり凹んだ。場内ではあちこちで笑い声もあがったが、とてもそんな気分にはなれず。

この人、しゃべり方とか頑固で偏屈なところ、難聴なところなど僕の父親そっくり。まだ健在だが行く末を見ているようで笑っている場合じゃなかった。
とにかく世話をしている人たちには頭が下がります。本当に人を好きでないとできないし、好きなだけでも勤まらないと思う。路上で寝てる人を見かけても素通りしてしまう自分にときどきイヤになるけど、善意とかヒューマニズムだけでは対処できない深刻な社会問題だなと痛感。小泉首相や石原都知事にも見て欲しい。

昔、浜町にある会社に勤めてたとき、土曜の午後にみんなで隅田川に繰り出してハゼ釣りしたけど、川の遊歩道一帯はホームレスの青シートが林立。すごいなぁと思ったが、その後自分もリストラ食らいその会社は消滅。他人事ではなかった。

いっときホームレス願望もあった自分だが、深く反省しました。
映画の後で監督の挨拶があって、それ聴いてたら急に涙出ちゃった。この人あたたかいよ。
キャサリン・ゼタ・ジョーンズがすごく美しくなっていてびっくり。アカデミーのときの妊婦おばさんのイメージだったから。世間的に評判悪いんですけど、十分楽しませてもらいました。

まず二人の腹芸合戦がゾクゾクするほどおもしろい。特に、法廷での目で会話する絶妙な演技には思わず身もだえしてしまった。クルーニーの「求愛眼プレイ」は最高!

そして相変わらずの濃いキャラたち。コーエン兄弟の洗練された職人芸は健在。

といっても、前作「バーバー」ほどの深みとコクは感じられず、サラっと終わってしまったかんじ。すごく期待したわりには軽くいなされたかんじ。(☆3.5)
噂にたがわぬカルト作。タイトルだけ見るとまんま<映画秘宝>だけど、これはB級ではないアバンギャルド作品。

オープニングとエンディングの迷宮案内がシュールでかっこいい! 山下洋輔のフリージャズをバックに、荒地のど真ん中でいきなり黒電話のベルが鳴るとこなんかすごい。

中盤はハードボイルドな復讐話になるのだが、「イノセンス」でも思ったけど、男はいきがるほどに幼児化するというか、「オレ」「ダチ」「スケ」「〜だぜ」やかっこつけたキメぜりふを連発するほどに男の弱さが透けて見える。裸体さらした女の前ではそんな強がりも一瞬にして負けてしまう。男が弱い生き物だってのは充分にわかっているので、もっと本当のクールを見せて欲しかった気もする。野郎どもの長い能書き聞くよりは、規制がなければもっと「肉弾」な裸体が見たかった。

野郎がメインの男尊女卑映画だけど、結果的に女尊男卑になってる。

若かりし山本昌平が仇の役でクールな怪しさ全開。麿赤児も一味のヒットマン役で出てた。スキンヘッドだが若い!

なんか時代の空気というかいまどきにはないエネルギーをビンビン感じましたね。
(☆4つ)
日曜日は一日中園芸オヤジだった。

やっと芝刈りの電動カッター買って芝の手入れ。

20センチ以上伸びていて雑草畑状態。ジャンケンに負けて雑草抜きをやらされた。ツメが真っ黒。ネコの額の専用庭でもかなりしんどかった。芝も手遅れぽいし。

その後にネコにリードつけて外に出してみた。腰抜けてた。すぐにバルコニーに逃げ戻った。ヘタレだ。 でもバルコニー散策は慣れたらしく、後で部屋に戻しても「出せ!」とうるさかった。

ホームセンターや園芸センターにも買出しに。帰って植え替えとかして一日中部屋の外にいた。それでもまだ片付かず、部屋もまだ整理できてない。いったいいつになったら終わるんだろ。

外の桜はすっかり葉をつけて青くなった。

1 2 3 4 5 6 7 8 >

 

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索